毎日するお世話

散歩中の犬
毎日するお世話といえば、食事が代表的ですが、ごはんの量や回数は犬によって異なります。
散歩やスキンシップに必要な時間などもさまざまで、愛犬の犬種や性格、体調に合わせることが大切です。日ごろから愛犬の様子をしっかりと観察し、お世話をしましょう。

食事(フード)

1日数回に分けて適量のフードを与えます。年齢や体重に適したもの、栄養バランスのとれたものを与えましょう。
水分もしっかりとれるよう、十分な量を設置します。とくにドライタイプのフードをメインで与える場合は、水分不足にならないよう心がけておくとよいでしょう。
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散歩

犬の大きさや年齢などによって散歩時間や距離は異なります。
大きい犬は小型犬より体力があるため、散歩時間は長めに設定するのが基本です。しかし、小型犬でも多くの運動量を必要とする犬もいますので、愛犬の犬種やスタミナ、性格を考えて決めましょう。
また、運動量が多い犬でも、体調やシニア期に入るタイミングなどで調整が必要です。
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トイレ掃除

愛犬のトイレスペースは常に清潔であるよう心がけましょう。
トイレのしつけでも、粗相をしてしまったときの掃除と消臭が、トイレトレーニングを成功させるポイントです。トイレの場所を正確に覚えてもらうためにも、速やかに掃除をします。

トイレシートはできれば都度、変えることをおすすめします。トイレトレーもこまめに掃除し、衛生環境を悪化させないように気を付けましょう。

ブラッシング

ブラッシングはできるだけ毎日おこないます。ダブルコート種で換毛期中ということであれば、1日2回必要なことも。散歩前や就寝前などお手入れタイムを決めて取り組むと、比較的スムーズに習慣化できるでしょう。

ブラッシングは、毛の長さに適したブラシを使うのがポイントです。耳の飾り毛やおしり周りなど、部位によってブラシを変えるのもよいでしょう。顔のお手入れの際には、目ヤニもチェックします。
ブラッシングを通して、体のあらゆるところに触れ、スキンシップと健康状態のチェックをおこなってください。
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歯磨き

毎日歯磨きできるように、子犬のころからスタートして習慣づけましょう。
犬の口内環境は歯石化しやすく、歯周病になるリスクが高い傾向にあります。歯周病は万病のもとなので、毎日のケアによる予防が必要です。
犬用歯ブラシや歯磨き粉、指で磨けるガーゼなど、さまざまな種類のオーラルグッズがあります。ぜひ活用してみましょう。
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スキンシップ、遊び

日々のコミュニケーションにより愛犬との信頼関係が築かれるため、犬との暮らしでもっとも大切な時間といえるかもしれません。
毎日、少しの時間でもよいので愛犬と触れ合う時間をつくりましょう。スキンシップを通して、愛犬の様子や健康状態を知ることも大切です。
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たまにするお世話

シャンプー中の犬
ここで紹介するお世話は、月に1回~数回のペースでOKです。必要以上におこなうと悪影響を与える可能性があります。頻度には十分注意しましょう。

シャンプー

1~2カ月に1回が目安です。それ以上だと洗いすぎてしまい、被毛がパサついたり、皮膚が乾燥したりとダメージを受けます。
散歩や食事で汚れた毛などは、シャンプーではなく、濡らしたタオルなどで拭き取ってきれいにしましょう。

シャンプー前には必ずブラッシングをします。シャンプー剤はしっかりすすぎ、シャンプー後はタオルとドライヤーでしっかりと根元から乾かしましょう。
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爪切り

月に1回が目安です。散歩帰りの足拭きやブラッシングの際に、爪の長さをチェックすることを習慣づけましょう。
爪が濡れてやわらかくなっている状態が切りやすいといわれています。月1回のシャンプーの後に切るようにするとよいでしょう。
犬も飼い主もお互いに慣れるまでは、犬の体を保定する人と爪を切る人の2人でおこなうとスムーズです。
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耳掃除

ブラッシングタイムなどを利用して耳の中を確認し、月に1回程度を目安に耳掃除をします。
垂れ耳の犬はとくに蒸れて汚れやすいため、耳を持ち上げて、中までしっかりチェックする必要があります。
汚れていた場合は、水や専用洗浄液を染み込ませたコットンまたはガーゼで拭き取ります。見える汚れだけでOKです。
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肛門腺絞り

シャンプーと合わせて、月1回程度おこなうとよいでしょう。
汚れが垂れてきたり、毛に付いたりするため、シャンプーをする前に絞ります。
汚れはしっかり洗い流してください。十分に流さないと臭いが残ることがあるので気を付けましょう。
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肉球(足の裏)ケア

足裏の毛が伸びると歩行の際に滑ったり転んだりしやすくなるので、伸びてきたらカットをしましょう。
親指で犬の肉球を優しく押し広げると、肉球の間に生えている毛を刈りやすくなります。ハサミではなくペット用バリカンを使うほうが比較的安全にカットできます。

肉球がカサカサしているように感じたら、犬用の保湿クリームやワセリンなどを使って乾燥対策もおこないましょう。塗ったあとに犬が気にしてしまう場合は、クリームが浸透するまでエリザベスカラーを装着する手もあります。

寄生虫予防

ノミやダニ、フィラリアなど、寄生虫予防薬の投与を忘れずにおこないましょう。
投与期間や対策期間は、気候や生活スタイルなどによって異なります。一般的に冬の寒い時期は投与をお休みしますが、ドッグランなどの犬の専用施設や、自然豊かな場所に出かけることが多いという場合は通年の対策をすすめられるでしょう。

予防薬も、月に一度投与するタイプから1年効果が続くものまでさまざまです。かかりつけ医と相談し、適したものを用いてしっかりと予防しましょう。
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毎年1回すること

受診中の犬

ワクチン接種

狂犬病ワクチン

年1回の接種が義務付けられているワクチンです。犬を迎えてからはじめてのワクチン時には、畜犬登録も一緒におこないます。
その後は毎年、登録先である管轄の保険所(または動物愛護センター)からワクチン接種の案内が届きます。忘れずに接種しましょう。

混合ワクチン

免疫力の低い子犬期に3回接種をしますが、その後の接種は任意とされています。年に1回、5~8種混合の接種が一般的といわれているワクチンです。

タイプは2種混合からあり、何種混合を接種するかは都度、獣医師と相談するとよいでしょう。ほかの生き物と接触する可能性がある場所に行く予定がある、キャンプや川によく行くなど、その年の活動場所や犬の年齢などによって変わります。
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健康診断

1歳を過ぎたら年1回は受けることをおすすめします。
フィラリア予防薬の処方前に血液検査をおこなうため、同じタイミングで健康診断をすすめる病院が多いです。犬の年齢や健康状態を考慮し、かかりつけ医と相談して頻度やタイミング、検査項目を決めましょう。

犬は私たち人間より成長と老化のスピードが速いといわれています。シニアと呼ばれる年齢は7歳。7歳を迎えたシニア期以降はできれば年に2回受けるとよいでしょう。
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犬種によって必要なお世話

トリミング中の犬

トリミング

犬のトリミングとは、被毛をカットして整えることをいいます。
トリミングが必要な犬は主にシングルコートの長毛種です。プードルやシーズー、ヨークシャーテリアなどは、抜け毛が少ないことで知られるシングルコート種ですが、被毛が伸び続けるという特質があります。
これらの犬種は、カットしないままだと毛が目にかかったり、床を引きずる長さになったり、毛玉だらけになったりします。少なくとも月1回はトリミングに連れて行くとよいでしょう。

長毛でもダブルコート種の場合、被毛は一定の長さ以上は伸びません。毎日の抜け毛対策は必要ですが、基本的にトリミングは不要です。
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涙やけケア

涙やけとは、涙で濡れた部分の毛が赤茶色に変色してしまうことを指します。
涙が過剰に分泌されてしまい目に涙が多くたまる「流涙症」が原因の一つとされており、チワワやトイプードルなどの小型犬、シーズーやパグなどの短頭種によくみられます。

濡れた状態のまま放置してしまうと、涙やけを起こし、毛が変色したり皮膚炎になったりします。
予防としては、常に目の周りを清潔に保つようにするのがポイントです。お手入れの際はコットンやガーゼで、毛の流れに沿って優しく拭き取ります。白い毛の犬はとくに目立ちますのでこまめにお手入れしましょう。
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シワ掃除

パグやフレンチブルドッグなどの皮膚にシワのある犬種は、シワに皮脂汚れがたまってしまうため、シワの掃除が必須。
蒸しタオルやペット用拭き取りシートなどで優しく拭き取ってお手入れしましょう。

よだれ拭き

超大型犬や大型犬、短頭種と呼ばれる鼻ぺちゃの犬種は、よだれが多い傾向にあります。走ったり遊んだりと呼吸が荒くなったとき、水を飲んだあとや食後などは、こまめに拭いてあげましょう。
暑さも関係あるため、室温管理の徹底も効果があります。

日々のお世話が面倒くさいと感じたときは?

いたずらをする犬

獣医師やトリマーなど、プロに相談する

シャンプーや爪切り、肛門腺絞りなどは、ペットサロンや動物病院でお願いすることができます
飼い主がお手入れに慣れていない場合は、時間と労力が必要になってしまうため、ストレスに感じてしまうこともあるでしょう。あまりに大変だと感じたときは、2回に1回くらいのペースでも、動物病院やサロンなどのプロにお願いしてみるのもおすすめです。

散歩中の吠えや飛びつき、留守番中のイタズラなど、しつけやコミュニケーションがうまくいかないときも、ドッグトレーナーの力を借りるという方法があります。困ったことがあれば相談してみましょう。

やらなくてもよいお世話をしていないかチェック

なんでも完璧を目指してしまうと疲れてしまいます。お世話にこだわりすぎていないか考えてみましょう。
たとえば、しつけや食事において、「基本的なしつけを早く覚えさせたい」「十分に栄養がとれるごはんをあげたい」など、飼い主自身が神経質になる必要はありません。掃除に関しても、犬の衛生管理は大切ですが、必要以上に張り切っていないか、少しだけ手をとめて考えてみましょう。

愛犬のためを思ってのお世話も、一生懸命のあまり、お互いのストレスになってしまっては本末転倒です。それぞれの事情に合ったお世話のペースでOKです。楽しめる力加減でこなしましょう。
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お世話の分担についてあらためて確認する

同居する家族がいる場合は、お世話の担当についてきちんと話し合いましょう。犬を迎える前と実際に迎えたあと、話し合いは何度か重ねることが大切です。
お世話する人が偏っていると負担も偏ってしまいますし、愛犬の懐き方にも差が出てしまいます。家族で協力し合って分担し、全員でお世話をしましょう。

ブリーダーからお世話のアドバイスをもらえることもある

ブリーダーから犬をお迎えした場合は、お世話やしつけについて相談できるケースが多いです。
親犬を大切に飼育し、兄弟犬についてよく知るブリーダーは、親身になって的確なアドバイスをくれるはず。ぜひ相談してみてください。

まとめ

飼い主と遊ぶ犬
犬を飼ったら必要なお世話について詳しく解説しました。もっとも大切なことは、飼い主さんが愛犬のことを思い、楽しみながらお世話するということです。そうすれば愛犬も、大切にしてもらっていること、飼い主さんが楽しそうにしていることがわかるはずです。
悩むときがあれば、一人で解決しようとせず、犬友だちや獣医師、トレーナーやブリーダーなどに相談してみましょう。