ポメラニアンにカットは必要?

ポメラニアンは、上毛と下毛の2層構造になっているダブルコートで、基本的にはカットを必要としないグルーミング種と呼ばれる犬種です。換毛期になると新しい毛に生え変わるため、被毛は伸び続けることはなく、一定の長さまでしか伸びません。

換毛期に限らず、被毛を清潔に保つために毎日のブラッシングが大切です。

基本的にカットは必要ないとされていますが、ケガ防止のために足裏の毛をカットして整えてあげるのがおすすめです。
また、衛生面を考慮して、おしり周りの毛をカットをする飼い主さんやブリーダーも多くいます。

カットの頻度

足裏やおしり周りの毛をカットする場合は、月1回程度を目安にカットをおこないましょう。シャンプーに合わせてカットしてあげるのもおすすめです。

ただし、頻繁にカットしたり、短く切りすぎたりしないように注意してください。皮膚トラブルや毛質の変化などの原因となるケースもあるので、安易なカットはしないよう心がけましょう。

また、ヒゲは基本的にカットしません。目にかかっているなどの場合はカットすることもありますが、どうしても気になる方はトリマーさんに相談してみましょう。

ポメラニアンのカットの種類

ポメラニアンのカットには、豊富なバリエーションがあり、カットの仕方によって大きくイメージが変わります。ヘアスタイル感覚で楽しむ飼い主さんもいらっしゃいます。

どれも愛らしい姿になるカットスタイルですが、丸顔の「たぬき顔」とシャープな顔立ちの「キツネ顔」で似合うスタイルが異なるので、愛犬に合ったカットを探してみてください。

思い通りのカットスタイルにするためには、トリマーさんと事前によく相談するのがおすすめです。相談する際は、写真や画像などを見せてイメージを一致させておくとよいでしょう。

柴犬カット

柴犬をイメージして、首回りや全身を短めにカットしたスタイルです。耳はもともとの形に沿ってカットするので、柴犬らしい三角の立ち耳になるのもポイントの一つ。マズルが長い子と短い子で、仕上がりの雰囲気が変わります。

テディベアカット(小熊カット)

トイプードルなどではおなじみのテディベアカット。全体的に短めにカットし、顔と耳周りを丸くカットしたスタイルです。

本物のテディベアのような愛くるしい見た目が特徴で、とくにマズルの短いたぬき顔のポメラニアンの場合は、よく似合う傾向にあります。

ライオンカット

首回りとしっぽの先の毛を残したライオンのようなカットスタイルです。たてがみがチャームポイントで、ほかのスタイルとはまた違った独特なかわいらしさがあります。

さらに、体の部分をバリカンで短くそろえるとよりライオンっぽくなります。しかし、ポメラニアンは被毛がスカスカになる「バリカン後脱毛症(毛刈り後脱毛症)」になる恐れがあるので、バリカンをかける場合はトリマーさんとよく相談してからおこないましょう。

アザラシカット

全身の境目を無くすようにカットしたスタイルです。毛色が白く、耳が垂れているとさらにアザラシのような見た目に近づきます。

桃尻カット

歩いたときのプリプリとしたおしりが愛らしいカットスタイルです。汚れやすいおしりの部分だけを短くしたいときや全身カットに不安がある場合におすすめ。

自宅でのカットの仕方

足の裏の被毛が伸びると、滑りやすくなってケガをしてしまう可能性があり、おしり周りの被毛を整えていないと不衛生な状態です。部分カットであれば自宅でおこなうのも一つの手です。

ただし、無理におこなうとケガをさせる恐れもありますので、愛犬が嫌がる場合などはトリミングサロンを利用しましょう。

準備するもの

  • コーム
  • トリミング用のハサミ
  • バリカン

ポメラニアンは下毛が抜けやすい特徴があり、毛量も多いため、毛をかき分けるように皮膚から毛先に向かってブラッシングをしてからカットをおこないます。

犬がバリカンに慣れていない場合は、バリカンの音と振動を嫌がる可能性があります。スムーズにカットするためにも、愛犬がバリカンに十分に慣れてから使いましょう。

バリカン使用時は、短くカットしすぎないように注意してください。

足裏のカット

足裏の毛は、バリカンでカットするのがおすすめです。ハサミの場合、足が動きやすく、ケガをさせる危険性があります。

カットするタイミングとしては、毛が肉球からはみだしているかどうかを目安にしましょう。

カットの仕方は、肉球とバリカンの刃が並行になるようにしてカットします。肉球と肉球の間の毛をカットする際は、飼い主さんの指で肉球を覆うようにし、傷つけないようにしてあげましょう。

おしり周りのカット

カットをはじめる前に、もつれや毛玉解消のためコームで毛を整えます。

肛門付近のカットは、肛門から外側に向かってバリカンを動かし、肛門にかかる毛をカットします。毛の根元からカットするのではなく、毛先だけをカットしていくイメージです。
おしり全体を整えるときは、ハサミを使用して気になる部分を少しずつカットしてください。

愛犬にケガをさせないためにも、カット中は刃先が必ず肛門の外側を向くように気を付けましょう。

ポメラニアンをカットするときの注意点

ポメラニアンにサマーカットは必要?

夏になると愛犬が暑そうに見えるため、短くカットしてあげたくなると思いますが、ポメラニアンの被毛は、体温調節や皮膚の保護といった重要な役割を持っています。
暑そうだからとサマーカットをおこなうと、逆に体温調節ができなくなったり、紫外線で皮膚にダメージを与えてしまったりする危険性があるのです。

サマーカットで思い切り短くせずに、エアコンなどを活用して室温管理をおこない、暑さ対策をしてあげましょう。

「ポメハゲ」に注意

ポメラニアンには、特有の脱毛・貧毛の症状である「ポメハゲ」というものがあります。短くカットした後に、毛が生えてこなかったり、毛質が変わったりして発症に気が付くケースが多いといわれています。
皮膚と被毛の健康を考えつつ、トリミングしていくことが大切です。

まとめ

ポメラニアンは、定期的なカットを必要とするトリミング犬種ではなく、基本的にカットを必要としないグルーミング犬種です。被毛のお手入れはブラッシングを中心におこないます。
安易にカットをおこなうと、皮膚病や脱毛症などになる恐れがあるため十分に注意が必要です。
足裏の毛やおしり周りの毛を整えることは、ケガ防止や衛生対策のため必要なカットなので、トリマーさんと相談しながらおこないましょう。