子どもはちゃんと世話をする!? 実際に聞いてみました

「絶対にお世話するから!」……犬を飼いたいとせがむ子どもの十八番ともいえるセリフですね。その言葉を信じていいものか、親御さんは葛藤するのではないでしょうか。

実際に「犬を飼いたい!」と子どもにせがまれて犬を飼い始めた方に世話をしているか聞いてみました。

Q.お子さんは継続してお世話していますか?

A.最初のうちはなんでも率先してお世話してくれましたが、中学、高校へと進学するにつれてあまり手をかけなくなったと思います。ただし毎日の食事と週末の散歩だけは変わらずにやってくれています。(50代/女性)

A.息子の入学と同時にミニチュアダックスフンドを購入したものの、3年生頃から、犬よりもゲームに夢中になり、お世話をサボるようになりました。ただ寝るときは必ず一緒なので、「かわいがっているならよしとしよう……」と諦めています。(40代/女性)

Q.お子さんがお世話をしたがらないときや忘れているとき声がけなどはしましたか?

A.「家族で一番懐かれているんだから、散歩連れて行ったら喜ぶと思うよ」などと声をかけてやる気を出させていました。(50代/女性)

A.「最近かまってもらえなくてさみしがってるよ」「犬はお外にお友達を作れないんだから、一番の親友でいてあげてね」というと、『遊んであげなきゃ!』という気持ちになるみたいです。(40代/女性)


成長・進学するにつれて、興味がほかに移ったり、部活やアルバイトなどで忙しくなり、愛犬ばかりに構っていられなくなってしまうのは仕方ないことなのかもしれませんね。

すべてのお世話を継続して…というのは難しいかもしれませんが、家族で協力してどれか一つでも継続してやってもらえるように工夫したいですね。

また、声がけについては子供の愛情を呼び覚ますような声がけがポイントです。お世話をしない様子を見て、「約束と違う」と怒りたくなるでしょうが、そこはぐっとこらえて、優しく世話を促してみましょう。

子どもが犬の世話をしないとき、親がやってはいけないNG行動とは……

×の手
約束を守らずに犬の世話をしなくなってしまったとき、親が子どもに対して取るべきではない言動を3つ紹介します。

NG1.子どもを叱りつけてお世話をさせる

叱りつければ、その場では言うことを聞くかもしれません。しかし、それでは嫌々犬と接することになり、世話をすることが「自発」から「義務」に変わります

義務となった状態で世話することは、犬にとっても悲しい思いをさせることになるのです。

NG2.諦めて親が世話をする

諦めて親が世話をするようになると、子どもは「嫌なことは親に任せればいい」と思い込んで育ってしまいます。
また、子どもと犬をつなぐ絆も薄れてしまいますので、結果的に犬が子どもに懐かず、余計に世話をする気をなくしてしまうでしょう。

NG3.子どもが気付くまでそのままにしておく

子どもに対するしつけや教育という面だけを見れば、一つの手段として否定することはできません。
しかし、これでは犬の命が危険にさらされることもあるので、放置という選択だけは絶対に避けてください

子どもに犬の世話をやる気にさせるコツとは

見つめ合う子どもと犬
それでは、どのようにしたら子どもにやる気を持たせ、自発的に犬の世話をさせられるのでしょうか。
心得ておくべき3つのポイントをご紹介します。

一緒にやろうと誘う

押し付けられているという感覚を持つと、子どものやる気は削がれてしまいます。
遊びの一環として「一緒に散歩に行こう!」と誘えば、親子のコミュニケーションを取る絶好の機会としても活かすことができます。

やるべきことを思い出させる

お世話をしたいという気持ちを持っていても、何をすべきなのか、いつやるべきなのかを子どもが理解できていない場合もあります。

「そろそろシーツを換えてあげなくちゃね」という形で提案するなど、お世話のタイミングを知らせるだけでも、子どもの姿勢を変化させることは可能です。

お世話に達成感を持たせる

お世話したことで、何らかの達成感や喜びを持てるようになれば、今まで以上に前向きな気持ちで犬と向き合うことが多くなるはずです。

例えば掃除したあとには「きれいにしたから、気持ちよさそうだね」と声をかければ、犬のためになったことを子どもが自覚します。
散歩の際にも「〇〇とお散歩行くのが一番うれしそうだね」と話せば、満足感も生まれ、率先して散歩に出掛けてくれるようになるはず。

どう話し合ったらいいの?

家族と犬
犬を迎え入れる前には、必ず家族間で話し合いを行いましょう。犬を迎えたあとの生活を想定し、決まり事を作っておくことがおすすめです。
何を決め、どのように話し合えばいいのかは、以下を参考にしてください。

役割分担を家族内でしっかり考えて決める

犬を飼うと、食事や掃除、お散歩など毎日行うべきことが一気に増えます。しかし、それらを誰か一人でこなすことは困難ですし、対応が雑になると犬を不幸にしてしまう可能性も。

家族の生活習慣を考慮しながら、それぞれができること・やりたいことを事前に整理しておき、役割分担を確定させておけば、各々が責任感を持ちやすくなります。

できないときは放棄するではなく、誰かに頼むということを徹底させる

役割分担を決めたとしても、体調やタイミングによってはどうしても決めたことができなくなるときもあるかもしれません。

もし決められたことができないのならば、犬の健康を守るためにも、そのまま放置せず誰かに代わりを頼むということを徹底させましょう。

まとめ

2人の子どもと犬
子どもが犬の世話をしなかったとしても、しかりつけて無理やり世話をさせたり、諦めて親が世話をしたり、子どもが気付くまで放置したりすることは避けてください。
子どものやる気を引き出すためには、義務感を持たせるのではなく、遊びの一環のような感覚で犬と接する機会を増やせるように導くことが大切です。

また、犬を飼う前には事前に誰が何の世話をするのかを決め、もしもそれができないときには、誰かに代わりをお願いするというルールを作りましょう。