定年後に犬を迎える際に考えておきたいこと

電卓
まずは定年後に犬を迎えるにあたり、多くの方が心配に感じるポイントをご紹介します。
家族と話し合ったり、お迎え先に相談したりすることで解決する問題もあるでしょう。

犬のお世話にかかる費用 

犬を迎える場合、生体費用だけではなく、犬のお世話グッズの購入や病院にかかるお金、毎日の食事代や遊びに出かける際の費用など、さまざまな経費がかかります。
犬種、飼い方によって差は出ますが、1年間あたり20~30万円程度が必要です

毎月の収支を確認し、問題なく犬を飼えるかどうかを計算しておくとよいでしょう。
一般的に大型犬のほうが飼育費用はかかります。トリミングが必要な犬かどうかといった点も大きく影響するでしょう。

【トリミングがいらない犬】

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散歩やお世話の負担

犬の散歩は毎日1~2回必要です。大型犬や活発な性質の犬種を迎えると、将来的に人間の体力が追い付かないのでは……と不安に感じる人も多いようです。

犬種によって1回あたりの適切な散歩時間は変わってきますので、体力に不安を感じる方は、運動量が少なめの犬種を選ぶ、という方法もあるでしょう。

【散歩量が少なめの犬種】
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高齢になった犬のお世話

犬も年齢を重ねれば体が思うように動かなくなり、お世話の負担が増えることが予想されます。そのとき、飼い主である自分の体力も落ちていると、お世話がしきれなくなってしまう心配があります。

犬が老いていくのと同時に、人間も歳をとっていきます。数年後、十数年後になっても面倒を見てあげられるかどうかを考える必要があるでしょう。

そばに犬のお世話を手伝ってくれる家族や、預かってくれる友人などがいると心強いですね。

犬を飼う最後の年齢は60代くらいまで

犬の平均寿命はここ10年上昇傾向にあるといわれていますが、ペット保険のアニコム損保の調査によると、犬の平均年齢は14.2歳です。
一方、日本人の平均寿命はというと、厚生労働省の発表によると、男性は81.05歳、女性は87.09歳です。

このようなデータから考えると、愛犬のお世話を最期まで自分でおこなうには、お迎えの時期は60代くらいまでが適切といえるでしょう。
ただし、あくまでデータ上の話ですし、家族の協力が得られる場合はこの限りではありません。

また、里親募集などで成長した犬を迎え、社会貢献するという方法もあるでしょう。保護犬を一時的に預かって育てる、というボランティアもあります。
愛犬の幸せ、自分の幸せのために、犬を迎える時期や方法については、よく考える必要があります。
参考文献
アニコム 家庭どうぶつ白書(https://www.anicom-page.com/hakusho/
厚生労働省 『簡易生命表』(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/seimei/list54-57-02.html

私たち、定年後に犬を迎えました

実際に定年後に犬を迎えた方にお話を伺いました。

お話を伺ったところ、体力面などの心配のある方は家族のサポートが受けられるかどうかが、大きなポイントになりそうです。
そうでない方は、散歩の代行サービスなどをチェックしてみるといいでしょう。最近ではペットシッターの利用も一般的になっています。
「いざというときにはここに頼める」という安心感があると、犬を迎えやすくなります。

何歳のとき、犬を迎えましたか。犬を飼おうと思ったきっかけは何ですか

  • 60才のとき、子どもが独立し時間もできたので犬を飼ってみたくなった。趣味のような感覚で、生活にメリハリができると思った(60代/チワワをお迎え)
  • 60代で。以前から欲しいと思っていたが、若いときは時間がなかった。迷うよりとりあえず行動を、と思っていた。案外どうにかなるだろうと特に不安にはならなかった。(60代/トイプードルをお迎え)
  • 70代のとき、娘夫婦にすすめられて。散歩やシャンプーなど大変なこともあるけれど、娘夫婦も手伝ってくれているのでお世話ができている。最初は不安だったが愛着がわくし元気ももらっている。(80代/柴犬をお迎え)

大変だなぁと思うところはどんなところですか

  • 体調や天候によっては、毎日の散歩を負担に感じるときがある。近くに住む家族に頼むこともある(80代/柴犬をお迎え)

「迎えてよかった!」と思うのはどんなところですか

  • 家族が犬を囲んで犬の話で盛り上がるとき。別々に住む家族も、手分けして犬の世話を手伝ってくれるとき(70代/マルチーズをお迎え)
  • 犬のお世話のために生活が規則正しくなった。散歩にも毎日でているし、早寝早起きの習慣が身についた(60代/チワワをお迎え)

高齢になっても飼いやすい犬の特徴

3頭の犬
定年後、60代から犬を飼いはじめる場合、お世話の負担を考えて、少しでも扱いやすい犬種を選ぶのもおすすめです。

飼いやすいといわれている犬の特徴と、代表的な犬種についてご紹介します。
それぞれの事情や状況に合わせて、検討してみてくださいね。

小型犬である

気軽に抱っこができて、散歩の負担も少なめの小型犬は、大型犬・中型犬に比べて扱いやすいといえるでしょう。

クレートに入れて持ち運びもできますし、大きなケージも必要ありません。
散歩時に引っ張られたり、全身でじゃれついてこられたりしたしても、小型犬なら心配ありませんね。

また、下記に紹介するような愛玩犬として生まれてきた犬種は、性格も扱いやすい子が多いのです。

【小型の愛玩犬】

抜け毛が少ない

抜け毛が少ない犬を選べば、掃除の手間がかかりにくくなりますし、人間が喘息やアレルギーを発症するリスクも低下します。

ただし、抜け毛が少ないけれどトリミングは必要、という場合が多いので、何を優先するかは考えて決める必要があります。

【抜け毛が少ない犬】
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吠えにくい

「騒々しいのはちょっと……」という方や「ご近所に迷惑をかけないか心配」という方は、比較的吠えにくく静かな犬種を選ぶといいかもしれません。

ただし、吠えることは犬の習性でもありますので、子犬期のトレーニングは必要になるでしょう。

怖いもの不安なものがあると犬は吠えやすくなります。子犬期にさまざまな人や犬、音にならしていくことが、落ち着いた犬を育てるポイントです。

【吠えにくい犬】
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穏やかでおとなしい

やんちゃなタイプの犬もかわいげがありますが、「有り余るエネルギーについていけるか不安」という場合には、穏やかな犬を選ぶのがおすすめです。

個体差はありますが、次に紹介する犬種は成長とともに、マイペースで穏やかな過ごし方を好むようになるケースが多いでしょう。

ただし、なかには運動不足になってしまう子もいるので気を付けましょう。

【穏やかでおとなしい犬】
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人懐っこい

介護施設などで活躍するセラピー犬のように、人懐っこい犬は人間に癒やしを与えてくれます。警戒心が強すぎず、人と関わることが好きな犬は、飼いやすい性格であるといえるでしょう。
親戚や友人が家に来る機会が多い方や、どこにでも愛犬を連れて行きたいという方におすすめです。

【人懐っこく友好的な犬種】
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まとめ

抱っこされる子犬
定年後、60代になってから犬を飼う場合、お世話ができるかどうか不安を感じる方は多いでしょう。実際に犬を飼ううえではそれなりの体力が必要になります。
しかし、比較的飼いやすい犬種を選んだり、家族に協力を求めたりすることで愛犬との暮らしを実現させた人も数多くいます。時には人の手を借りることも選択肢に含めながら、お迎えを検討するとよいでしょう。