何が違う? サークル・ケージ・クレート 

ケージで眠るポメラニアン
ペットを飼ったことがない人にとっては、サークルやケージ、クレートといった言葉は、あまり聞きなじみがないものです。

犬を迎えることを検討する段階になってはじめて、その違いや使い方に関して、興味をもつ方も多いのではないでしょうか。そもそもサークル・ケージ・クレートの違いは何なのでしょうか。

それぞれの特徴について説明していきましょう。

サークル

簡単に愛犬の行動エリアを囲うことを目的とした、側面のみ、もしくは側面と床のみが囲まれたアイテムです。天井がないため開放感があり、犬を抱いて上から入れることができます。お掃除やトイレのお世話もらくらくです。

ただし商品によっては、床や天井がついているものもあり、ケージとの違いがあまりないものもあります。

長方形や正方形、六角形のものなど、形やサイズもさまざまです。ジョイントをつないだり離したりすることで、広さを変えられるものもあります。

サークルは大きいサイズのものやカスタマイズできるものもあるため、中型犬・大型犬の飼育で活用されることが多いようです。

ケージ

サークルは天井が開いているのに対し、ケージは、側面と床、天井が囲まれています。側面の一部に開閉式の扉が付いており、そこから犬が出入りします。

サークルよりも安定感があるものが多く、ジャンプで脱走してしまうこともないので、より安心感があると言えます。

また、出入り口が別々にあり、2つのケージが連結しているタイプのものも販売されており、多頭飼いの方におすすめの商品となっています。

クレート・キャリー

クレートは持ち運びができる、小さなケージのようなものです。生活するには、窮屈なスペースですから、あくまで移動の際に使うものです。

あまり大きすぎないほうが持ち運びがスムーズですし、子犬の安全面のうえでもよいでしょう。

「キャリー」と呼ばれることもありますが、「キャリー」はペットを入れるバッグ全般に使う言葉で、なかでも硬い材質で安定感のある商品をクレートと呼ぶようです。
しかし明確な区別はなく、商品によって呼び方が異なります。

サークルやケージは犬の安心・安全のために必要

サークルの中のビーグル
「室内で犬を飼うのに、サークルやケージが必要なの?」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。犬にとって、周囲を囲まれた場所は安心して過ごせるスペース。室内でフリーにする場合であっても、必ず一つは用意するのがおすすめです。

留守番のときの安全確保ができる

一人暮らしや共働きの場合、日中は犬だけでお留守番。サークルやケージのなかに入れておけば、誤飲や家具へのイタズラといった思わぬ事故を防ぐことができますよ。

犬にとってリラックスできる空間になる

犬はもともと狭い場所を好む生き物。四方を囲まれた空間は、犬の祖先である狼が暮らした穴ぐらのような役割を持ちます。

お迎えしたばかりの子犬は、突然の環境の変化に戸惑い、身体的にも精神的にも大きなストレスを抱えています。そんなとき、誰にも邪魔されずに落ち着いてゆっくりできるサークルやケージの中は、安心できる場所となるのです。

来客や作業があるときに入れておける

家事や仕事中など邪魔されたくないときの犬の居場所としても便利です。飼い主さんに構ってもらえないときでも落ち着けるスペースがあると、犬も安心して過ごせます。

しつけにも活躍する

サークルやケージのなかにトイレトレーを設置することで、トイレトレーニングのときも大いに役立ちます。

また、自由に遊べるときとそうでないときの区別をつけさせるためにも、サークルやケージの中に入る「ハウス」を覚えさせるといいでしょう。

ただし「悪いことをしたら閉じ込める」場として利用するのはおすすめしません。罰として利用してしまうと、犬がリラックスできる場所ではなくなってしまうからです。

クレートは、移動や公共の場に連れて行くのに便利

クレートに入った犬
車で移動する際は、クレートに愛犬をいれクレートごとシートベルトをするのが、もっとも安全です。病院や宿泊先など、家以外の場所で愛犬が安心して過ごせる場所にもなります。

サークルやケージは持ち運びできませんが、クレートなら、どこででも広げられる小さな部屋のような役割を果たすのです。最近では、折り畳みができる商品も多く出ています。

サークルとケージ、どっちを選ぶか

ケージの中の犬
クレートは、移動の際に利用するものですが、サークルとケージは用途が同じです。どちらかを選んで購入するようになるでしょう。それぞれのメリットとデメリットを比べたうえで、自身のライフスタイルや好みに合ったものを選びましょう。

サークルのメリット・デメリット

メリット

天井がないため、エサや水の出し入れやトイレの掃除が簡単です。
またサイズを変更したり、面を追加したりすることで増設ができるため、犬の成長に合わせたスペースが確保できます。

デメリット

サークルの高さによっては脱走の恐れや、上から物が落ちてきたときにけがをする危険性があります。サークルは犬が自分で飛び越えられない高さのものを選ぶとともに、設置場所には十分注意しましょう。

ケージのメリット・デメリット

メリット

動物病院やペットホテル、トリミングサロンでもよく使われているケージ。天井があるため、サークルと比べて脱走の心配がありません。また落下物や衝撃にも強く、頑丈です。また商品によっては、折りたたんで持ち運びできるタイプのものもあります。

デメリット

天井や床面があるためにお世話の手間がかかります。上から手を入れられるサークルタイプとは違い、掃除のときに不便さを感じる人もいるかもしれませんね

サークルとケージ選びのポイント

ケージの中のチワワ

犬が安心できる大きさにする

犬専用スペースの大きさは、広すぎても狭すぎてもいけません。寝床には狭くて暗い場所を好む習性がありますが、日中の居住スペースとしては、トイレトレーとベッド、おもちゃなどを入れても狭くなりすぎない大きさのものを選びましょう。

成長後の大きさも考慮する

子犬の成長は目覚しく、「お迎えのときに買ったサークルが狭くなった」というケースも珍しくありません。成長に応じて買い換える、もしくは大きさの調整ができるタイプのものを選ぶのがおすすめです。

先輩飼い主に聞いてみた! サークル、ケージは使ってますか?

ところで犬を飼っている人は、みんなサークルやケージを使用しているのでしょうか。使用した感想なども含め、先輩飼い主さんにお話を聞いてみました。

「みんなのブリーダー」から子犬を迎えた、309名の飼い主さんが対象です。
※犬を飼っている人309名が回答
ケージを使っている人が50.5%、サークルは19.7%という結果になりました。86.1%がケージかサークル、または両方を使用しており、どちらも使っていないという人は、13.9%にとどまっています。

サークル、ケージを使用してよかったと思うこと

  • 地震があっても安全な場所にケージを置いているので、中で留守番をさせておけば、安心して外出できる。(ケージ利用/トイプードル、チワワ)
  • 食事、睡眠などメリハリが出来る。我慢する時間を作れる。(ケージ利用/ウェルシュテリア)
  • 留守番が多いため、広めのサークルを使用している。安全に過ごす方ができている。 サークルの中は安心できる場所のようで、夜も静かに眠っている。(サークル利用/ダックスフンド)
  • 車で移動するのにケージが便利 落ち着かせるのにサークルが便利(ケージ、サークル両方利用/トイプードル)

サークルやケージを使用しない理由は?

サークルやケージを利用しないという飼い主さんにも、意見を聞いています。

  • 危険な所をガードした室内でフリーにさせている(柴犬)
  • 自営なので昼間も事務所に連れて行っている(ラブラドールレトリバー)
  • 犬用の部屋を作っている。 キャリーバッグを寝床として使わせ、震災時にも移動できるようにしている。(チワワ、トイプードル)

まとめ

ケージの中の犬
犬を飼ううえでの必須アイテムであるサークルとケージ、クレートについて説明しました。
ちなみに多頭飼いの場合は、一頭ずつ別のものを用意するのが理想ですが、なかに仕切りが付いている多頭飼い向けの商品も販売されています。

住居環境や犬の大きさ、お世話の方法によっても、アイテムの選び方は変わってきます。愛犬の大きさはもちろんのこと、どこに置くか、どのようにお世話をするイメージか、などを検討して決めるようにしましょう。