犬と猫を一緒に飼うことは可能

仲良しな犬と猫
結論からお伝えすると、犬と猫を一緒に飼うことは可能です。ただし、仲良しになるのかは、犬や猫の年齢や飼うタイミングなどによります。
猫と一緒に暮らすのがストレスになる犬もいますし、反対に犬と暮らすことで体調不良に陥ってしまう猫もいるのです。

そのため、犬と猫を一緒に飼う場合は、慎重に進めていく必要があります。のちに紹介しますが、それぞれの生活スペースを確保することがカギとなるでしょう。

群れを好む犬と単独を好む猫

犬と猫を一緒に飼うためには、それぞれの習性を理解し、環境を整えることが大切です。環境が整っていないのに一緒に飼ってしまうと、ストレスから体調不良になったり、問題行動を起こしたりする可能性があります。

次の項目で、それぞれの習性について解説します。

犬の習性

犬は群れで行動することを好み、飼い主に従順です。しかし、自分のテリトリーを大切にしているため、そのテリトリーに知らない人や動物が入ってくると、ストレスを抱えてしまうことも。

また、動いているものを見ると追いかけてしまう習性もあります。猫が好む上下運動は必要ありませんが、ドッグランのような広い場所を走り回るのが大好きです。

猫の習性

猫は単独行動を好み、マイペースで干渉されることを嫌います。また、猫も犬と同様、自分のテリトリーを大事にする動物です。

猫は獲物を見つけると犬のように追いかけるのではなく、待ち伏せする、もしくは忍び寄る習性があります。
上下運動でストレスを発散するため、猫が上ってもよい背の高い家具や、キャットタワーを用意してあげるといいでしょう。

犬と猫の相性

仲良しな犬と猫
群れを好む犬と単独行動を好む猫では「相性はよくなさそう」「仲良しになるのは難しそう」と思ってしまうかもしれません。
しかし、迎え入れる際の犬・猫の年齢、タイミング、順番によって、考えられる相性は異なります。

ここでは、犬と猫のどちらを先に飼っているのかで、どのような相性の可能性が考えられるのかをご紹介します。

子犬×子猫

子犬と子猫を同時に飼いはじめるのが、もっともトラブルが少ないといえます。
犬は生後3~13週齢、猫は生後2週~8週齢までの社会化期であれば警戒心が低いため、お互いよい遊び相手になるでしょう。
そして、そのまま仲良く成長してくれることが期待できます。

先住犬×新入り猫

犬がいる家に新しく猫を迎える場合、犬が新入り猫を家族と認めれば、スムーズに同居ができます。しかし、迎え入れる猫が成猫の場合は、先住犬と慣れるまで時間がかかるかもしれません。

また、先住犬がウィペットやテリアなどの猟犬の場合、その名残から猫やネズミなどの小動物を見ると興奮して追いかけ回すことがあると考えられます。新入り猫が攻撃されないように、注意する必要があるでしょう。

先住猫×新入り犬

猫がいる家に新しく犬を迎える場合、慣れるまでに時間がかかると考えられます。成猫は環境の変化を嫌うため、今まで家にいなかった犬が現れることでストレスになるおそれがあります。

新しく犬を迎え入れる場合は、先住猫のペースに合わせて、徐々に慣らしてあげましょう。

犬と猫を会わせるときのポイント

ケージ越しの犬
犬と猫の初対面は、今後の仲に大きく関わってきます。初対面を失敗してしまうと、仲良しになれないまま暮らしていくことになるおそれもあるのです。

早く仲良くなってもらいたいからといって焦るのではなく、ここで紹介するポイントをしっかり把握してから、犬と猫を会わせるようにしてください。

いきなり対面させない

新入りペットが家にきたからといって、すぐに先住ペットと対面させるのは避けてください。
対面する前にお互いのにおいと存在に慣れてもらうために、新入りペットを先住ペットとは別の部屋に隔離しましょう。この際、お互いのにおいがついたタオルを交換するのも有効です。

隔離期間を経たら、ケージ越しに数分対面させる、ケージ越しで一緒に食事をさせる、新入りペットがいる部屋の出入りを自由にできるようにする、といったように段階を踏んで慎重に慣れさせていきましょう。

焦らずに、少しずつ距離を縮めていくようにしてください。

慌てない

「せっかく家族になるのだから早く仲良しになってもらいたい」と思ってしまうかもしれません。しかし、飼い主が仲良くさせようと介入することで、犬と猫の仲がこじれてしまうことがあります。

飼い主が慌てることはせずに、犬と猫のペースに合わせて見守ってあげましょう。
また、犬と猫が慣れるには数日単位ではなく、数週間、もしくは数カ月単位の期間がかかることもあるため、根気強く様子をみてください。

猫の爪は必ず切る

猫が本気で攻撃するときは、爪で相手の目と鼻を狙います。
犬がケガをしないためにも、対面させる前には猫の爪をチェックし、長いようであれば爪切りを済ませておきましょう。

犬と猫を一緒に飼うときの注意点

フードを食べる犬
犬と猫を一緒に飼う場合、それぞれ1匹だけで飼うのとは別の注意点があります。犬も猫もストレスを抱えずに健康に暮らしていくためにも、しっかりと注意すべき点を確認しておきましょう。

ごはんは別々に

犬と猫ではそれぞれ必要な栄養が違うため、犬がキャットフードを、猫がドッグフードを食べるのは避ける必要があります。
それぞれの皿を用意するのはもちろんですが、犬と猫は別の場所でごはんをあげるようにしましょう。

犬は皿に盛られたごはんをその場ですぐに食べる傾向にありますが、猫はちょこちょこ食いをすることも多くあります。
皿に残ったキャットフードを犬が食べてしまわないように、ごはんをあげる場所はしっかりと分けてください。

また、それぞれのごはんの保管にも十分注意する必要があります。犬や猫が入れない部屋に置くか、届かない場所に置くようにしましょう。

逃げ場を作る

主に、猫の逃げ場を作っておくことが重要です。
猫が嫌だなと感じたときに、すぐに逃げられる場所を用意してあげましょう。キャットタワーを設置すると、犬が届かない高さに逃げられるため、おすすめです。

犬との共用場所に猫用ハウスやベッドを置くのは、その中に逃げ込んだ際に犬に出口をふさがれてしまうおそれがあるため、避けたほうがいいといえます。
このような考えから、入口が一つしかなく視界の悪いフルカバーの猫用トイレも避けましょう。

先住ペットを優先する

飼い主は、ついつい新入りペットにばかり気を取られがちです。しかし、新入りペットばかりを構っていると、先住ペットがやきもちを妬いてしまったり、敵対心を持ってしまったりするおそれがあります。
新入りペットに敵対心を抱くと、わざと冷たくする、もしくは問題行動を起こすようになってしまう可能性も。

声をかける、撫でる、遊ぶなどのスキンシップをとるときや、ごはんをあげるときなど、先住ペットを優先するように心がけてください。

ずっと慣れない可能性も考える

犬と猫と一緒に暮らしたいと思っていても、どうしても相性がよくない場合もあります。
また、最初の対面に失敗してしまった場合、慣れることがなく仲良く生活できない可能性も考えられます。

犬と猫を一緒に飼う場合は「隔離しながらでも飼えるのか」「もし慣れなかった場合にどうするのか」まで考えてから、新入りペットを迎えるようにしてください。

ほかのペットにやさしい犬種

やさしく友好的な性格の犬種は、多頭飼いに向いているといえるでしょう。
ほかのペットと仲良くできるといわれているのは以下の犬種です。


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まとめ

犬と猫を一緒に飼うことは可能ですが、年齢やタイミングによっては仲良くなるまでに時間がかかることが考えられます。早く仲良くなってもらいたいからといって飼い主が焦るのは避け、犬や猫のペースに合わせて見守りましょう。

また、基本的に猫は単独行動を好むため、猫だけのスペースを作ってあげるのがおすすめ。犬も猫も抱えるストレスが少なく済むように、一緒に飼う環境を整えてから新入りペットを迎え入れてあげてください。