子犬を家に連れてくるまで

車から顔を出す子犬
ブリーダーやペットショップ、里親など、子犬をお迎えする方法はさまざまです。しかしどの方法でも、必ずチェックしておきたいポイントは共通です。

引き取り先で確認すること

子犬がこれまでどのように暮らしてきたのかを知ることは、新居での環境づくりにおいても非常に重要です。

  • 与えていたフードの種類、量、回数、時間
    お迎えしてすぐの間は、もともと食べていたフードをそのまま引継ぐのがベストです。1度に与えていた量や回数、食事の時間も必ず確認しましょう。

  • 予防接種・寄生虫検査などの有無の確認
    上記のような検査は、犬を飼う上で必須となるものです。迎え入れる月齢や場所により実施の有無が変わってくるケースがありますので、正しく把握しておくことが大切です。

  • トイレの時間や特徴、それまで使っていたトイレグッズ
    子犬の健康をチェックする上では、排泄も重要なポイント。量や回数は適切か、下痢をしていないか確認しましょう。また、トイレトレーニングが済んでいる場合や途中の場合、トイレグッズが変わるとうまくいかなくなってしまうこともあります。できるだけ同じグッズをそろえてあげると子犬も安心です。

  • においがついたおもちゃや毛布の用意
    子犬にとって、自分のにおいがついたおもちゃや毛布は思い出深いもの。身近に置いておくだけで子犬を安心させる効果があります。真新しいものを用意するのもよいですが、いくつか譲り受けておくのもおすすめです。その場合は、譲ってもらえるかどうか事前にブリーダーに相談してみましょう。また、お迎え日よりも前に毛布などをブリーダーに渡しておいて、においをつけてもらうことも一つの手です。

子犬の連れて帰り方

子犬を自宅に連れて帰るときには、車・公共の交通機関を問わず専用のケージに入れることをおすすめします。

公共交通機関の場合は、子犬の手足や頭が外にでないよう配慮しましょう。
車の場合は揺れに注意し、シートベルトで固定するか、誰かが横でケージを保持するなどして、できるだけ子犬に負担をかけないよう工夫してください。

また、ブリーダーの犬舎から持ち帰った毛布などがあれば、ケージの中に敷いてあげると子犬が安心できます。

お迎え初日の過ごし方

子犬を引き取ってきたら、いよいよ新生活のスタートです。生まれてはじめての場所に連れてこられた子犬は、慣れない環境に戸惑いを感じています。これから一緒に暮らす飼い主として、優しく接してあげましょう。

準備していたケージやサークルなどに入れて、自分の場所を教えてあげる

1日でも早く新しい環境に慣れさせるためには、子犬が安心できる場所を与えることが大切です。専用のケージやサークルに子犬を入れて、「ここが自分の場所だよ」と教えてあげましょう。

引き取り先から譲り受けたおもちゃや毛布などがあれば、一緒に入れてあげるとよいです。

サークル内でトイレをうながし、できたら褒める

子犬に新しいトイレの場所を覚えさせるトイレトレーニング。クンクンと床のニオイを嗅ぎまわるような仕草が見られたら、排泄のサインです。

サークル内にトイレトレーやペットシーツを用意し、そこで排泄を促します。
上手にできたら、たっぷり褒めてあげましょう。

遊びたがる場合は遊ばせてあげる

子犬が遊びたがるような仕草を見せたら、一緒に遊んでみても大丈夫です。
お気に入りのおもちゃなどを使い、引っ張りっこのような簡単な遊びに誘ってみてください。

お迎え初日は慣れない環境に疲れていることもあるため、遊ばせすぎには注意が必要です。

空腹の場合はごはんを食べさせてあげる

生後半年までの時期は、1日に3~4回に分けてフードを与えます。お迎え前のフードを用意して、子犬が食べるか様子を見てみましょう。

お迎えしてすぐの場合は、緊張状態でなかなかフードを食べてくれない可能性もあります。そんなとき、無理やり食べさせるようなことはNG。まずは優しく子犬の様子を見守ってあげてください。

お迎えの翌日~1週間の過ごし方

新しい環境に適応している最中のこの時期。子犬の様子や体調に注意しながら、少しずつコミュニケーションをはかりましょう。

トイレトレーニングを開始

本格的なトイレトレーニングを開始するのは、この時期からがおすすめ。
排泄の兆候が見られたらすかさずトイレに連れていき、「できたら褒める」を繰り返します。慣れないうちは、あらかじめトイレに子犬の排泄物のニオイを付けておくのも効果的です。

失敗しても決して叱らず、根気よくトレーニングを続けましょう。

部屋や家の中を探検させる

子犬が環境に慣れてきたら、ケージやサークルの外に出し、少しずつ行動範囲を広げていきましょう。
子犬が入る部屋の床はキレイに掃除しておき、いたずらの対象になりそうなものは取り除きます。ゴミや食べ残しの誤飲にはくれぐれも注意してください。

焦らずに絆を深めよう

子犬の性格にもよりますが、新しい環境に慣れて、心を開いてくれるには少し時間がかかる場合があります。

「犬がなかなか懐いてくれない」と悩む飼い主さんもいるかもしれませんが、ポイントは、焦らず、じっくりです。

丁寧にお世話をして、日々優しく子犬の成長を見守っていれば、必ず絆は生まれてくるもの。
無理せず、子犬のペースに合わせることが大切なのです。

様子を見ながら、徐々にしつけを始める

体調に問題がなく、飼い主の存在にも慣れ始めてくるころは、室内でできるしつけをスタートしてもよい時期です。無駄吠えや甘噛みはクセになる可能性があるため、できるだけ早めにしつけておく必要があるでしょう。

ご褒美を使っての「オスワリ」「フセ」「マテ」といったコマンドのトレーニングも徐々に進めていきます。

お迎え初日~1週間のうちに気を付けたいこと

ひもをかじる子犬
お迎えしてすぐは心身ともにストレスを抱えやすい時期です。子犬ができるだけ快適な環境で過ごせるよう、以下のようなポイントに注意しましょう。

室温管理に気を付けよう

子犬にとって適切な室温は25度前後とされており、成犬よりもやや高めです。暑すぎても、寒すぎてももちろんNG。デリケートな子犬の場合、気温の変化が体調に現れるケースも珍しくありません。

室温はエアコンなどの空調で一定に管理しましょう。また、とくに寒い冬場などは、温かい毛布などを使って体を冷やさない工夫をすることも大切です。

みんなで一斉に取り囲んだり、無理に遊びに誘ったりしない

かわいい子犬がそばにいたら、つい構い過ぎてしまうもの。しかし、たくさんの人数で周りを取り囲んだり、無理やり遊びに誘ったりすることは、子犬に大きなストレスを与えてしまいます。

お迎えしてすぐは体調不良を起こしやすい時期ととらえ、過剰に構い過ぎないようにしてくださいね。

夜鳴きには応じない

お迎え初日の夜、子犬が夜鳴きをする、興奮して寝らない……といったことがあるかもしれません。新しい環境に慣れず不安になっている、おなかが空いているなど、夜鳴きの原因はさまざまですが、その都度子犬に構うのはNG。夜鳴きがエスカレートしてしまうケースも少なくありません。

構うのはぐっと我慢し、まずは子犬が安心して眠れる環境を整えてあげるようにしましょう。寝床となるクレートやケージの場所は、静かに過ごせる場所や飼い主の目が届く場所にするのがおすすめです。

不安から子犬が体調を崩したら、焦らず動物病院へ

迎えたばかりの子犬は、体調不良を起こしやすいものです。突然吐いたり下痢をしたりしたらつい慌ててしまいますが、子犬が心理的ストレスにより嘔吐や下痢を起こすことは珍しくありません。

落ち着いて様子を観察し、不調が続くようであれば動物病院に連れて行きましょう。

登録やワクチン接種を忘れずに

犬を飼う上で、「畜犬登録」や「予防接種」は欠かせないポイントです。
畜犬登録はお住まいの市町村で手続きができます。
また恐ろしい伝染病を予防する「混合ワクチン」、「狂犬病予防注射(生後91日以上の犬)」も必ず受けておきましょう。
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まとめ

女の子と子犬
子犬をできるだけ早く新しい環境に慣れさせるためにも、お迎えの初日から1週間ころまでの過ごし方はとても重要です。ぜひこの記事の内容も参考に、かわいい子犬のお迎え準備を進めてくださいね。