物件ごとの規定やルールを確認しよう

本の上に乗る犬
マンションやアパートといった集合住宅では、ペット可の物件であっても、好きなときに勝手に犬を飼いはじめていいというわけではありません。

住人が守るべき規定は物件によって異なります。賃貸物件の場合は、所有する大家さんや管理を担当する不動産会社に、分譲物件の場合も管理組合や管理会社においてルールが決められます。

犬を連れて引っ越す場合も入居後に犬を迎える場合も同様に、必ず契約前に確認しましょう。
次に紹介するようなことが、規定として定められているはずです。

飼ってもいいペットの種類や数が決まっている

ペット可物件であっても、「どんな動物でも歓迎!」というわけにはいきません。犬、猫、うさぎ、鳥、ハムスターや爬虫類など、飼ってもいいペットの種類がはっきりと決められていることが多いです。

なかには「猫は大丈夫でも犬はNG」というケースもありますし、その逆もあります。

小型犬限定、体長や体重など大きさ制限がある

犬の場合、飼うことのできる犬種が制限されているケースも少なくありません。「小型犬のみ可」とすることろや、「中型犬まで」とするところなど、さまざまです。

フレンチブルドッグや柴犬など、小型犬の範囲に入るかどうかあいまいな犬種もいます。審査基準は物件により異なりますので、自分が飼っている、もしくは飼おうとしている犬種は飼育を認めてもらえるかどうか、事前に確認しましょう。

飼育可能頭数が決められている

飼育頭数も制限があるケースが多いです。そのような物件で多頭飼いをすることはルール違反になり、大きなトラブルに発展しかねません。

1頭以上の犬を飼いたいときには、必ずその旨が認められている物件を選びましょう。

飼育ルールが細かく定められている

マンションのような集合住宅は、共有部分と居住スペースの専用部分に分かれています。ペット可の物件であっても、エントランスやエレベーター、階段のような共用部分を歩かせていいかどうかは規定によります。

一般的には、共有部ではキャリーケースに入れたり、抱きかかえたりして地面には下ろさないことが義務付けられているケースが多いようです。
専用部分である自室のバルコニーも、他の居住者への影響を考えて犬を外に出すのはNGとなっている場合があります。注意しましょう。

その他、無駄吠えのしつけ、排泄物の適切な処置(共有部分では排泄させない)、清潔の管理(抜け毛や臭い)、ノミダニなどの害虫予防などがルールとして定められているケースも。
他の犬に移る恐れのある感染症にかかったら必ず報告することを義務付けている物件もあります。

マンションやアパートで犬を飼うために必要な申請手続き

マンションのベランダから下を覗く犬
犬を飼うために必要な手続きは物件により異なりますが、大家さんや不動産会社、管理組合などに申請書などの書類を提出し、承認を得てからお迎えする、といった手順が一般的です。

物件によっては、犬を飼うときに追加の費用がかかり、黙って犬を飼うことで請求金額を上乗せされるケースもあります。

提出が求められる書類

たとえば、こんな書類の提出を求められることがあります。

  • ペット飼育許可申請書・・・飼おうとしている犬種、犬の生年月日、体高・体重、毛色などの情報を決められたフォーマットに記入するもの。場合によっては、写真の提出を求められることがあります。
  • 蓄犬登録の内容が分かる書類・・・鑑札や注射済み票など。犬を飼うときに必ず必要になる蓄犬登録の証明書です。
  • 狂犬病、混合ワクチン接種を行っていることが分かる書類・・・予防接種を行う行政機関や動物病院で発行される証明書です。
  • 避妊手術の証明書・・・特にメスの場合、避妊手術が推奨されているケースがあります。手術を受けた動物病院で発行してもらいます。

などなど……。

規定の書類を提出するほかに、別途ペット飼育用の保証金を求められる場合もあります。
ここで紹介した内容は一例で、必要な書類はケースバイケースです。自分の住んでいる物件のルールを確認しましょう。

集合住宅での飼育マナー

立ち入り禁止のマーク
ルールとして明文化されていなくとも、暗黙のマナーとなっている事柄も存在します。以下で紹介するのはどれも犬を飼う上では常識とも言える内容になりますので、必ず押さえておきましょう。

1.騒音に気をつける(無駄吠え、足音など)

犬の飼育が許可されている物件であっても、近隣への配慮を忘れてはいけません。無駄吠えや部屋を走り回る足音など、自分で思っている以上に響いていることがあります。

無駄吠えのしつけを徹底するとともに、足音を軽減するマットレスやカーペットを敷くなどの工夫をしましょう。

2.臭いは適切なケアをする

犬を飼っていると、どうしても部屋に臭いが付いてしまうものです。排泄物を適切に処理することはもちろん、ブラッシングやシャンプーでの臭いケアも行いましょう。

どうしても臭いが気になる場合は、空気清浄機や消臭スプレーの使用も検討してみてください。

3.抜け毛を落とさない

マンションの共有部やバルコニーでブラッシングをするのはやめましょう。抜け落ちた毛が舞って、他の住民に迷惑がかかります。

4.共有部分で排泄をさせない

散歩に連れ出す際、マンションの共用部分や建物の外壁、植え込みなどに排泄してしまわないよう注意してください。万が一汚してしまったときは、必ず飼い主自らの手で掃除をしましょう。

賃貸物件の場合の注意点

犬と飼い主
賃貸物件では、決められたルールやマナーを守ることが何よりも大切です。これを破ってしまった場合、ペットの飼育が認めてもらえなくなったり、最悪の場合、退去を求められたりすることもあります。

賃貸契約は、貸す側と借りる側、双方の信頼関係により成り立つものです。身勝手な行動は慎み、必ずルールを守ってください。
犬を飼う上での不明点や、万が一近所とのトラブルが生じてしまった際は、大家さんや不動産会社に連絡をいれ、どのように対応すべきか指示を仰ぎましょう。

共用部分や専用部分である居室は、なるべく綺麗に使うのも大切なマナーです。特に居室は壁や床が傷ついたり、汚れたりしないよう、専用のシートやマットを使うことをおすすめします。退去時の状況によっては、保証金でまかなえずに追加の修繕費がかかることがありますので、くれぐれも注意してくださいね。
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まとめ

夫婦と犬
以上、ペット可の賃貸マンションで犬を飼うときに注意したいポイントを解説しました。
犬を飼うことを許可されていたとしても、すべての住人が犬に寛容なわけではありません。他者への思いやりの心を忘れないようにしましょう。
契約内容やルールは物件により異なります。居室や共用部分の使い方など、細かく決められているケースがほとんどですので、契約時や申請時に内容の見落としがないよう注意してくださいね。