犬の鳴き声①「ワンワン」

ワンワンと鳴いている犬

高いトーンで大きく短い「ワン」は嬉しい声

飼い主が帰宅したときやお散歩中に友達の犬に出会ったとき、「ワン」と大きく鳴くのは嬉しさの表現です。笑顔のように口元を緩ませる表情も見られます。

リズムよく連続で「ワンワン」は楽しい声

お散歩や遊びの最中などで、弾むように吠えるのは嬉しい気持ちときです。嬉しそうに目を輝かせ、機嫌よく左右にしっぽを振ります。

低いトーンで短く「ワン」はやめてほしい声

人、犬などに向けて、やめて!」と制止の意味で吠えています。耳を上にピンと立て、体全体を緊張させることもあります。

数回連続して「ワンワンワン」は警戒している声

来客を知らせるチャイムが鳴ったときなどに見られる、野太く連続して吠える声は、警戒を表しています。犬が危険を察知し、ピンと耳を立てて周囲を警戒している様子が見られます。

低く連続して「ワンワンワンワン」は警告している声

まくしたてるような低い鳴き声は、対象物に対する警告です。「やめて! でなきゃ攻撃するぞ!」といった気持ちが表れています。
「ウーッ」といった低い唸り声が混ざるときは、臨戦態勢に入っている状態です。

犬の鳴き声②「キャンキャン」

遊びモードのチワワ

ごはんやお散歩待ちのときの、高い「キャンキャン」はおねだりの声

「キャンキャン」と甲高い声は、要求吠えの可能性があります。「早くちょうだい」、「〇〇してよ~」といった犬のおねだりの気持ちが表れています。
かわいいおねだりにはつい構いたくなるものですが、鳴き声に飼い主が応じてしまうと、犬は「吠えると自分の要求が通る」と学習してしまいます。結果、要求吠えがエスカレートし、「キャンキャン」「ワォーン」といった大きな鳴き声に変わることもあるので注意しましょう。

甲高い「キャン」1回は、痛いときの声

急に足を踏まれたときや体をひねったとき、思わず「イテッ」と漏れてしまう声です。
急に甲高い声で鳴くと驚く飼い主も多いですが、そのあと足を引きずったり継続的に鳴き続けたりすることがなければ、特に心配ない場合が多いです。

悲痛な「キャイーン」「キャンキャン」はひどい痛みのSOS

いかにもつらそうなトーンの「キャイーン」や「キャンキャン」は、ケガや病気でひどい痛みを訴えているなど、必死で助けを求めているサインです。甲高い声で「キャンキャン」と繰り返し鳴くようであれば、急いで動物病院へ連れて行ってあげてください。

犬の鳴き声③「クーン」

不満げなゴールデンレトリバー

弱々しい「クーン」は不安や恐怖の声

鼻にかかったような「クーン」という鳴き声は、苦手なものや初めてのものに対して不安を訴える声です。怯えたようにしっぽを足の間に巻き、耳を垂らして元気がない様子も見られます。
痛みを感じて「クーンクーン」と鳴く場合もあるため、犬に異変がないか注視する必要があります。

高く「クーン」と伸ばすのは服従している声

飼い主や上位の者に対して高い鼻声を伸ばすのは、「あなたに服従しています」の気持ちです。同時におなかを天井に向ける服従のポーズが見られることもあります。

犬の鳴き声④「クンクン」

物欲しそうな様子のチワワ

甲高い鼻にかかったような「クンクン」は甘えやおねだりの声

犬が「飼い主に注目して欲しい、自分に注意を向けさせたい」ときの鳴き声です。
食べ物や欲しいものを目の前にして「クンクン」と鳴くときは、「これちょうだい」の要求です。

弱々しく連続して「クンクン」は不安やストレスがある声

飼い主がお留守番の準備をしているときや目の前から居なくなったとき、高い声で「クンクン」と鳴くのは、「嫌だ、行っちゃだめ!」といった気持ちです。ウロウロと落ち着きなく動き回りながら悲しそうな鳴き声を上げます。
要求を通そうとして、繰り返し鳴き続けることもあります。

犬の鳴き声⑤「ウーッ」

ひっぱりっこで遊ぶ犬

臨戦態勢をとりながら「ウーッ」と唸るのは威嚇や攻撃の声

威嚇のときには低い声で「ウーッ」と唸り声を出します。鳴き声以外のしぐさとして、耳を立てて前方に倒し、眉間にしわを寄せて歯を剥く、しっぽを高く上げて前のめりの体勢になるなどの行動が見られます。うっかり手を出そうものなら、噛みつかれてしまう危険もあります。

嫌なことをされて「ウーッ」と唸るのは警告の声

犬が身の危険を感じたり、嫌なことをされたりしたときに警告の意味で唸ることもあります。歯磨きなどのお手入れをされることを嫌がって、「やめなきゃ噛むぞ!」と唸る場合も。

遊びながら「ウーッ」と唸るのは夢中になっている声

犬は楽しく遊んでいるときにも低く唸ることがあります。
飼い主との遊びに夢中になって唸るときは、ピョンピョン飛び跳ねたり、上半身を低くして伏せのような動きをしたりします。

なにか咥えながら「ウーッ」と唸るのは所有欲のサイン

おもちゃなどの引っ張り合いをしているとき、「これは自分のものだ!」と所有欲を表して唸ることがあります。
おもちゃに執着するあまり、飼い主に歯を当ててしまうことも。このような反応を頻繁に示す場合には、しつけの見直しが必要になるでしょう。

犬の鳴き声に対するしつけ方法

手で制される豆柴犬
犬は鳴き声を使い分けることによりさまざまな気持ちを表していますが、エスカレートすると飼い主を困らせるレベルの「連続吠え」「無駄吠え」になってしまいます。
大きな声で繰り返し鳴くようなら、理由に応じて適切なしつけをしたほうがよいでしょう。

要求鳴きには応じない

ごはんやおやつ、お散歩前の要求のために鳴く場合は、愛犬を我慢させるしつけが有効です。犬が要求鳴きをしても一切応じずに、無視を貫きましょう。
飼い主も根気が必要になりますが、自分の要求が通らないことが分かると、犬も鳴くのをやめるようになります。

甘え鳴き・警戒鳴きにすぐ反応しない

甘え鳴き、警戒鳴きなどに対しても、「鳴いたり吠えたりしたらすぐ構う・反応する」のはNGです。犬は学習する動物のため、いいことも悪いことも覚えてしまいます。「吠えたら飼い主が何かをしてくれる」と犬に思い込ませないことが大切です。

また、犬が鳴くのを思いとどまったり、鳴き止んだときには、思い切り褒めてご褒美をあげましょう。

ほかにも、犬が吠えそうなときにテレビやラジオを付けて別の音で気をそらす、警戒鳴きの原因となるチャイムの音を変えるなどの対策があります。

鳴くことを完全に禁止する必要はない

連続吠え、無駄吠えにつながらないよう、しつけが必要であることを説明しました。

しかし、一方で犬は基本的に吠える動物であることも覚えておきましょう。犬に鳴くことを完全に止めさせるのは難しいです。躍起になって禁止しようとすれば、お互いにストレスが溜まってしまうでしょう。

近隣への音漏れが気になる場合は、室内に設置できる防音グッズを活用しましょう。
防音カーテンや防音ボード、床に敷く防音マットなど、犬の鳴き声による音漏れをシャットアウトできる便利なグッズが販売されています。
関連する記事

まとめ

ご機嫌な犬
今回は犬の鳴き声による感情表現について解説しました。
なぜ鳴いているのか理由が分かれば、正しい対応やしつけを行うことができます。愛犬の気持ちを理解し絆を深めて、飼い主と愛犬の両方が幸せに過ごせる関係を目指しましょう。