室内遊びの重要性

散歩やドッグランなどでの外遊びの時間が減ると、犬は運動不足になったりストレスをためてしまったりと、よくない影響が出はじめます。

しかし、それは室内遊びで解消することができます。
外での運動ほど体力を使わせることはできませんが、より頭を使うものやコミュニケーションを深められるものなど、室内運動ならではのメリットもあります。

おすすめの室内遊び

引っ張りっこ遊び

手軽にはじめられることができ、犬を刺激し欲求を満たす、シンプルでありながら楽しい遊びです。
遊びながらおもちゃを「咥える」「離す」を教えられ、愛犬自身も力の入れ方や興奮しすぎないようコントロールすることを覚えられる遊びです。ぜひチャレンジしてみましょう。

まず、ロープや引っ張りっこ用ぬいぐるみなど、専用のおもちゃを用意します。丈夫で、愛犬が丸飲みしないサイズを選んでください。
おもちゃを生き物のように動かし、愛犬の興味を引き、咥えさせます。咥えたら、愛犬と飼い主さんの力比べです。

ひと勝負ごとにおもちゃを離してもらいましょう。「ハナセ」「チョウダイ」が合図です。
離すのが難しいときは、おやつや別のおもちゃと交換してください。

やめどきも飼い主さんが決めましょう。犬が遊びに完全に飽きてしまう前に、終わるのがおすすめです。
引っ張り合い用おもちゃは出しっぱなしにせず、必ず片付けるようにします。おもちゃ箱を決めて、愛犬に入れてもらうのもいいでしょう。片付けまでを遊びとします。

取ってこい遊び

外遊びの定番ですが室内でも可能です。遊びながら「キャッチ」「モッテコイ」「ハナセ」を教えられます。

やや遠くへ投げて取りに行かせる、近くに投げてキャッチさせる、異なる遊びが可能です。
口でダイレクトにキャッチしてもらうときは、丸飲みできないサイズで、重くないものを選びましょう。

宝探しゲーム

いわゆる知育遊びです。おやつやおもちゃを隠す宝探し遊びと、飼い主さん自身が隠れるかくれんぼ遊びとがあります。

意外に難しい2択の宝当て

紙コップ、または手を使い、どちらか一つにおやつを入れ、どちらに入っているか当ててもらうゲームです。

リズムよくおこない、当てられることができたら中のおやつをもらえるというルールを覚えてもらいましょう。
集中力が長く続かないうえに、おなかいっぱいになってしまうと興味がなくなります。まずは1セット5~10分くらいでおこなってみましょう。

場所を広げて宝探し

おやつを紙コップやおもちゃに入れ、カーテンの裏やソファの下など、複雑ではない場所に隠しましょう。

探している時間が長いと疲れてしまうので要注意です。テンポよく探し出せても、飽きてしまう前に終わらせるのがポイントです。



そのほか、ノーズワークマット※など、宝探しができる知育玩具を使用するのも楽しいですし、おやつではなくおもちゃを隠して、「見つけたら飼い主さんと遊べる」というルールも喜んでくれるのではないでしょうか。

※ノーズワークマットとは……嗅覚を利用してフードやおやつを探し当てるゲームをするためのマット状のおもちゃ。マットの上にフェルトなどでひだやポケットを作り、その中にフードやおやつを隠す。

手ごろなものでアジリティごっこ

アジリティとは、犬の障害物競走のことです。通常はトレーニングを積んだ犬でないと難しい、高度な動きを要求されるものですが、ここで紹介するのは家にあるものや気軽に手に入るもので挑戦できる、なんちゃってアジリティです。

本来体と頭を使うことが好きな子のストレスや運動不足解消にも役立てられるでしょう。

タオルハードル

家にある大きめのバスタオルをクルクルと丸めて棒状にし、それを何本か床に置くだけ。飼い主はフードやおやつを見せて、愛犬が障害物(タオル)をトントンと乗り越えて進むように誘導します。

頭と体の筋肉を使う動作ですが、ジャンプするほどの高さではないため、シニア犬にもやさしい遊びです。

ダンボールトンネル

大きめのダンボール箱を利用してトンネルを作り、くぐらせます。
愛犬の体に合わせて高さを調節するのがポイントです。

スラローム

イスや100円ショップなどで売っているコーンを使い、障害物に見立てます。
廊下などを使い、ほどよい間隔を空けて障害物を配置したら、愛犬がそれをうまくよけながら飼い主のところへ来るように誘導しましょう。

少々難しいですが、直線状においた障害物を右に左にとジグザクに進めたら上級者です!

室内遊びの注意点

十分なスペースを確保する

狭いスペースでの遊びは事故やケガの原因となります。
遊ぶときに片付けられるものは片付けて、広く安全なスペースを作りましょう。

滑り止め対策をする

フローリングは足腰を痛める原因になります。カーペットやジョイントマットを敷くなど対策をとりましょう。

とくに取ってこい遊びは、滑り止め対策をしっかりおこなった安全な場所で遊ぶようにしましょう。

おやつを与え過ぎない

宝探しなど遊びのなかでご褒美におやつを与える場合は、与え過ぎには十分気を付けてください。
ご褒美おやつは基本、ドライフードを1回1粒肥満にならないよう注意しましょう。

誤飲に注意する

小さなもので引っ張りっこや取ってこい遊びをすると、勢い余って飲み込んでしまうことがあります。
犬専用のおもちゃは対象年齢や体格を参考に、丸飲みできないものを選びましょう。

また、壊れかけたおもちゃも、誤飲事故を引き起こす可能性があり危険です。ちぎれたり、ひび割れしたりしたものをそのまま使用しないようにしましょう。

日ごろから信頼関係を育む

所有欲が強い子はゲームルールが守れず、取ってこい遊びなどが成立しない可能性があります。そのため、ある程度の信頼関係が構築されていることが前提となります。

信頼関係があれば、引っ張りっこや取ってこい遊びを通して、マテやチョウダイ、ハナセなど、しつけや芸を教えることが可能です。

日ごろから愛犬とコミュニケーションを取り、信頼関係を育むようにしましょう。急にトレーニング感覚で芸を教えようとするのは難しいです。

ひとつの遊びに集中しすぎない

同じ宝探しゲームでも、探す宝を変えたり部屋を移動したりして、変化をつけるといいでしょう。
小休止をはさみつつ、いろいろな遊びを取り入れるのがおすすめです。

まとめ

天候に左右されず楽しめる室内遊びは、スキンシップが増えて、愛犬の運動不足だけでなくストレス解消にもなり、心身ともにリフレッシュできることでしょう。
全力で動けるわけではなく、限られたスペース内ですので、散歩にかなうものではありませんが、補助的な役割としては十分におすすめできるものです。