多くのミニチュアダックスを輝かしい賞に導く匂梅ブリーダー。繁殖はもちろん、ハンドリングも自分の手で行っています。犬の歴史やルーツを学び、特性を生かした飼育を行う匂梅ブリーダーのダックスは各所で高い評価を得ています。

事務局　ダックスフンドを専門に扱っているということですが、ダックスにこだわる理由はなんですか?
匂梅ブリーダー　きっかけは、1頭のスムースのダックスをもらったことです。はじめは単なる1ファンでしたが、この子の血を受け継ぐ子を産ませたいと思ったんです。犬って飼う前はみんな同じに見えますが、飼ってみると違いが見えてくるでしょう。なぜ犬種によって違いがあるのか興味を持って、犬のルーツを学ぶようになりました。ダックスフンドは狭いところの狩猟に使われていた犬です。足の短いのにも理由があるし、骨の角度やパーツひとつひとつにも意味がある。犬のルーツをしっかり受け継いだ「スタンダード」な犬を育てたいと思いました。ドッグショーに参加するようになったのも、この思いがあったからです。

事務局　ドッグショーに参加し始めたのはいつですか?
匂梅ブリーダー　1997年です。自家繁殖させ、ハンドリングも自分たちで行っています。2012年と2013年はぺディグリーアワードで1位を取りました。昨年は、20頭目の犬がチャンピオンになり、アウトスタンディングブリーダーの表彰もいただきました。ドッグショーに出す犬は、まさに自分の相棒のようなもの。勝った時は一緒に喜んでくれるし、負けると犬も悔しそうなんです。自分のことを信頼して、感情を共有してくれているなと思いますね。犬は人間が思っているより、とっても能力が高いんですよ。

事務局　ショーに出す犬を育てる際、苦労しているのはどんなところですか?
匂梅ブリーダー　いろいろな性格の子がいるので、マニュアル通りにいかないところですね。犬の性格や特性を考え、かけひきしながらトレーニングしています。

事務局　ドッグショーの魅力はどんなところでしょうか。
匂梅ブリーダー　ドッグショーには、タイトルを自慢したいから行くわけではありません。その犬が繁殖犬として健全であり、ダックスフンドとしての骨格構成や気質を備えているかという評価を受けに行っています。良い部分も悪い部分も、子や孫たちに遺伝として継承されていくので、心身ともに健全だという事はショードッグだけではなく家庭犬としても大切な事だと考えています。

事務局　匂梅ブリーダーから何度も犬を飼うお客さまも多いそうですね。
匂梅ブリーダー　1匹目が亡くなって、次の犬もうちで、と言ってくださるお客さまもいらっしゃいますね。うちでは、初めて犬を飼うというお客さまには、心構えや犬と人間の歴史、ダックスフンドのルーツなども勉強してもらっています。犬と生活するには、犬の特性を知っておく必要があるからです。どうコミュニケーションをとるか、どうしつけるか、関係性を作るひとつひとつの段階で、犬の特性が深く関わってくるんです。オオカミから犬になる過程で、彼らは人の感情を読み取る能力を身につけていきました。そんな動物、犬くらいしかいないですよね。長い歴史の中で発展させていったそのような能力があるので、たくさん犬とコミュニケーションを取ってほしいと思います。深くコミュニケーションが取れるようになると、犬の飼い主さんへの思いの深さに感動します。犬との関わりから、たくさんのことを学べると思いますよ。

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