ゴールデンレトリバーには種類がある? イングリッシュゴールデンレトリバーとは?
賢くフレンドリーで、何より金色の美しい毛並みが特徴のゴールデンレトリバー。被毛はブラウンに近い色からほとんどホワイトに見える色まで濃淡がありますが、実はこの濃淡には理由があるんです。ゴールデンレトリバーは1種類じゃないってご存知でしたか?
目次
そもそもゴールデンレトリバーってどんな犬種なの?
ゴールデンレトリバーは、温和で賢く人間が大好きという、理想的な家庭犬です。体高はオス58.4~61cm 、メス54.6~57.2cm、体重はオス29.5~34kg、メス24.9~29.5kgと大型犬ですが、素直で人懐っこい性格のため、大型犬のなかでも比較的飼いやすい犬種といえるでしょう。垂れ目で垂れ耳の外見からも、ゴールデンレトリバーの優しい性格がうかがえます。
ゴールデンレトリバーは長毛種ですが、毛が伸び続ける犬種ではないので、トリミングは必要ありません。足の裏やおしりなど、衛生上必要な部分のみカットすれば大丈夫。ダブルコートなので抜け毛は多めですが、シャンプーは月1回、ブラッシングは1日1回程度と一般的な犬の手入れで十分です。
人との共同作業が好きなため、しつけなどのトレーニングにも意欲的に取り組んでくれるでしょう。
歴史からひも解く2タイプのゴールデンレトリバー
イギリスが原産なことは間違いありませんが、ゴールデンレトリバーの歴史はあまりよくわかっていません。最近では、19世紀半ばにスコットランドのツイードマウス卿が、より優秀な鳥猟犬を求めて作り出したという説が有力です。ゴールデンレトリバーの基礎となった犬は、ニューファンドランド系の犬にウェービーコーテッドレトリバーを交配して誕生しました。
交配の結果4匹の子犬が生まれ、どの犬も鳥猟で優秀な働きを見せたそうです。その後、さらにツイードウォータースパニエルやアイリッシュセッター、ブラッドハウンドなどをかけ合わせ、19世紀後半には現在と同じようなゴールデンレトリバーの姿になりました。
イギリスケネルクラブで公認されたのは1903年ですが、アメリカには1890年ころからゴールデンレトリバーが輸入されていたといわれています。知る人ぞ知る犬種でしたが、1930年ころから人気に火がつき、今に至るまで愛され続けています。
その結果、アメリカ好みに合わせて独自の改良が行われ、アメリカとイギリスのゴールデンレトリバーは違った特徴が見られるようになりました。
イングリッシュゴールデンレトリバーってどんな犬?
イギリスで発展したゴールデンレトリバーを、「イングリッシュゴールデンレトリバー」と呼ぶことがあります。白からクリーム色のプラチナカラーの毛色が特徴です。目や鼻は黒く、毛並みは短く硬めでウェーブが強い傾向があります。基礎となったニューファンドランドの影響が残っているせいか、骨太でずんぐりしていて、マズルも短めだといわれています。
温和で賢いというゴールデンレトリバーの性質は同じですが、アメリカタイプと比較しておとなしめ。水猟犬として誕生した犬のため、今ではその特性を生かして水難救助犬として活躍するイングリッシュゴールデンレトリバーも多いそうです。
アメリカンゴールデンレトリバーってどんな犬?
アメリカンゴールデンレトリバーは、アメリカに渡ったイングリッシュゴールデンレトリバーにさまざまな犬種をかけ合わせて誕生しました。毛質はほぼストレートで柔らかく、明るいゴールドからブラウンに近い色まで、毛色には幅があります。目や鼻の色は濃い目の茶色で、イギリスタイプより細身の体、長いマズルが特徴です。
ゴールデンレトリバーらしい優しい性格ですが、活発で好奇心旺盛なところがあり、ややハイテンションになりやすいといわれています。しかし、人の役に立ちたい、一緒に作業したいという気持ちも強く、盲導犬やセラピードッグなどとして活躍しているゴールデンレトリバーが多く存在します。
飼うならどちらのゴールデンレトリバーがいい?
イギリスタイプもアメリカタイプも温和で賢く、家庭犬として文句なしに飼いやすい犬といっていいでしょう。日本で見かけるゴールデンレトリバーは、ほとんどがアメリカンゴールデンレトリバーです。イングリッシュゴールデンレトリバーのブリーダーもいますが、ペットショップなどに流通させることはほぼないので、なかなか見かける機会はありません。
そのため、もしイングリッシュゴールデンレトリバーを飼いたいと考えた場合は、ブリーダーを探すところからはじめることになるでしょう。