ブリーダー稼業２

前回の続きになりますが中小というか零細ブリーダーの苦労についてお話したいと思います

まずは一般家庭にてブリーディングをされている方で専業という方はまずいません
数十万円で販売しているのにそんなことはないだろうと思われるでしょうが本当の話です
零細ブリーダーはウチを含めてほぼ全員副収入がある人たちです

例えばウチの場合は航空業界と海外在住時の経験を活かして輸出入の仕事での収入がメインです
これが貿易と名乗れるほど大規模にできれば老後は安泰なのですが、そこまでの能力がありません

一番多いのが高齢者です。年金だけでは食べていけないので副業でブリーダーをされている方々
実際にブリーダーの集いに行くと、50代の私ですら若手になります
80歳を超えても、まだ産まれた子犬を繁殖用に残す方も結構います。なんかいらぬ心配をしてしまいますが…
あとは主婦のかたの副業としてもされているパターンもありますね

なぜそれなら本業にしないのか？　一番の理由に立地の問題があります
だいたいの零細ブリーダーは一般住宅でブリーディングをしているので頭数を増やせません
今は一頭につきこれ以上のスペースを確保しなさいという法律がありますから

それと騒音問題。私はいつもこのブログを深夜早朝に書いていますが、それは夜中に犬が吠えた場合に鎮静させる必要があるからです
犬は連鎖反応を起こすので、夜中に一斉に吠えることがあります。新聞配達ですとか救急車などのサイレンとか
そしてこの騒音こそご近所トラブルの元凶。そのために夫婦交互に起きているわけです
もちろん出産の監視もありますし

それと経費の問題。いくら零細でも事業としてブリーダーをやっている以上は開業届か会社設立届を出さないといけないわけで、そうなれば確定申告も必要になります。税務に詳しくなければ税理士やら社労士やらと契約しないといけないわけで、その経費がバカになりません。
それとゴミにしても事業ゴミは産業廃棄物なので一般ゴミに出せません。引退犬については事業ではないので、ペットシーツやらの排泄物のゴミは一般で無料で出せますが、繁殖用については産廃ですので業者契約が必要です
幸いにウチはクリーンセンターが近くにあるので直接持ち込みでやっています。持ち込みだと事業ゴミでもかなり安く処理できますが、車が臭くなります。ああ、軽トラが欲しい…　しかしながら一般住宅での小規模ブリーダーなら、軽トラを置くスペースもなく金もない。更には娘から恥ずかしくて運転できないと責められること必至

そして最大の出費が獣医師。これは動物を扱う以上は絶対に必要な経費で、ブリーダー同士でもあそこはいくらだとかいう話題になりますが、安くても腕の悪い獣医師に頼んでも意味がないわけで
ウチは繁殖に使うのは実質10頭ぐらいで残りは引退犬ですが、やはり引退犬とはいえ元気が無いと獣医さんに診てもらいます
その獣医師さんの支払いだけで年間ウン百万ですわ…　

他にも細かい出費があって、良い値段でお譲りしている割には手元に残る金額は少ないのですよ

まあ結論としては、世の中そうそう美味しい仕事なんて無いということですかね